IT転職活動をしていると、必ず向き合うことになるのが「面接」
特に最近は、オンライン面接とオフライン(対面)面接の両方を実施する企業が増えています。
「オンラインとオフライン、どっちが有利なんだろう?」
「それぞれの面接で、気をつけるべきことって違うの?」
「ITエンジニアとして、どう自分をアピールすればいいか分からない…」
IT転職市場では、オンライン面接とオフライン面接の両方が当たり前になり、どちらの対策も必要になっています。
私自身、ITエンジニアとして複数回の転職を経験し、コロナ禍前後でオンライン面接とオフライン面接の両方を体験してきました。
それぞれに特徴があり、準備方法や攻略法も異なります。
同じ内容を話しても、面接形式によって相手に与える印象は大きく変わるのが現実です。
この記事では、私の体験談を元に、オンライン・オフライン面接に共通する準備から、それぞれの形式に特化した攻略法まで、具体的にお伝えします。
実際に使えるAIプロンプトやエピソードトークの作成方法も含めて、面接成功率を上げる実践的なノウハウをお伝えします。
オンライン・オフライン面接に共通する「絶対やるべき」事前準備

面接形式に関わらず、まず押さえておくべき土台となる準備があります。これをやるかやらないかで、面接官に与える印象は大きく変わります。
特にIT転職では、技術的な質問と合わせて企業研究の深さも評価されるため、しっかりとした準備が成功の鍵となります。
企業研究のゴールは「貢献イメージの具体化」
「企業研究をしましょう」とはよく言われますが、ただ会社のWebサイトを眺めるだけでは不十分です。大切なのは、「もし自分が入社したら、どのように貢献できるか」を具体的にイメージすることです。
自分のスキルや経験が、その企業のどの事業やプロダクト、どの課題に対して活かせるのか。ここまで落とし込んでおくことで、面接での回答に一貫性と説得力が生まれます。
「この人はうちの会社をよく理解してくれているな」と、熱意も伝わりやすくなります。
【時短術】AIアプリ「Felo」で企業研究をハックする
最近では、企業研究に便利なツールも登場しています。その一つが、AIアプリのFelo(フェロー)です。
Feloは2024年に東京のスタートアップ企業がリリースしたサービスで、検索AIとしてリサーチや情報の整理に非常に優れています。
使い方はとても簡単。Feloの無料版(Proモード)を開いて、以下のようなプロンプト(指示文)を入力するだけです。
【Felo用プロンプト例】
・〇〇会社 企業情報
・〇〇会社 特徴
・〇〇会社 競合企業
これだけで、企業の基本情報から事業の特色、競合他社の状況まで、客観的な情報を効率よく集めることができます。ぜひ試してみてください。
転職エージェントから「過去の質問」を入手する
もし転職エージェントを利用しているなら、そのメリットを最大限に活用しましょう。
転職エージェント経由での応募の場合、過去の面接で聞かれた質問内容を教えてくれる会社があります。
これらの情報を積極的に活用し、想定質問への回答を事前に準備しておきましょう。
- よく聞かれる技術的な質問パターン
- 志望動機に関する深掘り質問
- 前職での課題や困難への対処方法
- 転職理由の詳細確認
特にIT転職では、技術面接と人事面接で質問の傾向が異なるため、それぞれに適した準備が必要です。
【エピソードトーク】ITエンジニアのプロジェクト経験の伝え方

ITエンジニアの面接でほぼ100%聞かれるのが、「プロジェクト経験」についてです。
大規模だったか、小規模だったか。リーダーだったか、メンバーだったか。しかし、ただ事実を並べるだけでは面接官には響きません。
ここでの回答が技術力と問題解決能力の両方を示す重要な機会となります。
面接官が本当に知りたいのは「あなたの思考プロセス」
面接官は、プロジェクトの概要や役割だけでなく、課題に対する対応方法やあなたの思考プロセスを知りたがっています。
大規模プロジェクトか小規模プロジェクトか、メンバーかリーダーかPMOかといった基本情報も重要ですが、それ以上に重要なのは問題解決のアプローチです。
- どのような課題に直面したか
- その課題をどう分析したか
- 解決策をどのように立案・実行したか
- 結果として何を学び、次にどう活かすか
だらだらと長く話すのではなく、相手が聞きたいポイントを意識して簡潔に伝えることが重要です。
エピソードトークが苦手でも大丈夫!AIで最強の「武器」を作る方法
プロジェクトについて話す際は、ストーリー性を持たせたエピソードトークが効果的です。
相手にも覚えてもらいやすく、自分も話しやすくなります。
「そうは言っても、うまく話せるようなエピソードなんてない…」
正直に言うと、私もエピソードトークは大の苦手でした。
しかし、今は便利な時代です。うまく話せないなら、AIに手伝ってもらえばいいのです。
特に「STARメソッド(Situation: 状況、Task: 課題、Action: 行動、Result: 結果)」というフレームワークは、エピソードを構造化するのに非常に有効です。
STARメソッド(Situation, Task, Action, Result)を使ったエピソードトーク作成をAIにサポートしてもらうことで、印象的な面接回答を準備できます。
【コピペOK】面接で使えるエピソードトーク作成AIプロンプト集
実際に私が使用しているAIプロンプトを業務別に紹介します。
運用業務の場合
転職の面接で使えるエピソードトークを作りたい
運用業務3年間行っていて、特にエピソードが思い浮かばない
STARメソッドを使ってエピソードを作って行きたいから、質問してくれる?
質問後に答えの例題も表示して欲しい
社内SEの場合
転職の面接で使えるエピソードトークを作りたい
社内SEとしてヘルプデスクやPCキッティングを2年ぐらいやってたけど、エピソードが思い浮かばない。
STARメソッドを使ってエピソードを作って行きたいから、質問してくれる?
質問後に答えの例題も表示して欲しい
プロジェクト参加の場合
転職の面接で使えるエピソードトークを作りたい
ITエンジニアで構築プロジェクトに参加したけど、どういうエピソードがいいのかわからない。
STARメソッドを使ってエピソードを作って行きたいから、質問してくれる?
質問後に答えの例題も表示して欲しい
これらのプロンプトを使って対話形式でエピソードを作成することで、面接官の印象に残る回答を準備できます。
オンライン面接の特徴と攻略法

ここからは、面接形式別の攻略法です。まずはオンライン面接から見ていきましょう。
オンライン面接は、対面面接とは異なる特徴と攻略法があります。
特に技術的な環境設定から始まり、コミュニケーションの取り方まで、オンライン特有の対策が必要です。
「カメラON・音声確認」はさり気なく挨拶より先に確認
基本中の基本ですが、カメラは必ずONにしましょう。
そして、面接が始まったら「本日はよろしくお願いいたします。こちらの音声はクリアに聞こえておりますでしょうか?」と、まず音声の確認から入るのがスマートです。
これにより、聞き取れないまま話が進むトラブルを防げます。
- カメラの角度と照明の確認
- 音声の品質チェック
- 画面共有の準備(必要に応じて)
- 安定したネット環境の確保
相手の声が聞こえにくい場合は、遠慮せずにしっかりと伝えることが大切です。
技術的な問題を我慢して面接を続けると、コミュニケーションが上手くいかず、本来の実力を発揮できません。
オンラインの特権「カンペ」を戦略的に活用しよう
オンライン面接最大のメリットは、画面の裏にメモ(カンペ)を置けることです。話したい要点やアピールしたい実績、逆質問などをメモ帳アプリなどで開いておきましょう。
これだけで、頭が真っ白になるのを防ぎ、スムーズな自己PRが可能になります。ただし、ずっとメモを読み上げるのは不自然なので、あくまで「補助」として使いましょう。
効果的なカンペの作成方法:
- 企業研究の要点(事業内容、技術スタック)
- 自己PRの骨子(3つのポイント)
- 質問への回答例(志望動機、転職理由など)
- 逆質問のリスト(5つ程度)
ただし、メモを読みながら話すのではなく、要点を確認する程度に留めて、自然な会話を心がけましょう。
「伝わりにくい」が前提!対面より丁寧なコミュニケーションをする
オンラインは、相手の表情や場の空気が読みにくく、情報量が少ないコミュニケーションです。意図が正確に伝わらないことも。
その為、オンライン面接は、実際には対面面接よりも時間がかかることが多いです。
- 結論から話す(PREP法を意識する)
- 相手が話し終わるのを待ってから、一呼吸おいて話し始める
- 相槌は少しオーバー気味に打つ
事前に準備してきた内容を中心に話し、込み入った話は避けるのが無難です。
簡潔で分かりやすい回答を心がけ、相手の反応を確認しながら進めることが重要です。
「伝わりにくい」ことを前提とした丁寧なコミュニケーションが、オンライン面接を制するカギです。
オフライン(対面)面接の特徴と攻略法

次に、昔ながらのオフライン面接(対面面接)です。コロナ禍以降に転職活動を始めた方には、かえって新鮮で緊張するかもしれません。
対面面接では、非言語コミュニケーションが重要な要素となります。
コロナ禍後にオフライン面接を初めて経験する方も多く、適切な準備と心構えが必要です。
30分前行動と「自分用の資料」で心の余裕を作る
慣れない場所へ行くのですから、移動には余裕を持ちましょう。約束の30分前には最寄りの駅に到着するくらいの計画が理想です。早く着いたらカフェなどで気持ちを落ち着けましょう。
対面面接では、移動時間や交通遅延のリスクを考慮した準備が必要です。
事前準備のチェックリスト:
- 履歴書・職務経歴書の印刷(自分用)
- 会社までの経路確認と所要時間の把握
- 面接会場の詳細情報(建物名、階数、入口)
- 緊急時の連絡先確認(転職エージェント経由の場合は担当者に)
相手は履歴書や職務経歴書を印刷して持参していますが、自分用にも印刷して持参すると、面接中に内容を確認できて安心です。
当日になって慌てて準備するのは非常に困難なので、前日までに必要な資料や持ち物を全て準備しておくことが大切です。
非言語コミュニケーションを意識する(目線・姿勢)
対面では、話の内容だけでなく、あなたの立ち居振る舞い全てが見られています。
意識チェックリスト:
- 受付での挨拶と待機中の姿勢
- 面接室での入室マナー
- 面接中の目線と表情
- 退室時の挨拶
メモを読むことはできないので、しっかりと相手の目を見て、誠実に話すことが何よりも大切です。背筋を伸ばし、ハキハキと話すだけで、自信があるように見えます。
意外な落とし穴?面接対策は「1ヶ月前の言葉遣い」から
対面面接では、普段の言葉遣いがそのまま出てしまいがちです。
面接直前に気をつけても、緊張状態では普段の話し方になってしまいます。
特に注意すべき点:
- 「です・ます」調の徹底
- 「えーっと」「あの」などの口癖の改善
- 語尾を明確にする(「だと思うんですけど」→「だと思います」)
- 相手の話を聞く際の相槌の仕方(「うんうん」→「はい」)
面接の1ヶ月前から、普段の会話でも丁寧な言葉遣いを心がけることで、面接本番でも自然に適切な敬語を使えるようになります。
まとめ

今回は、オンライン面接とオフライン面接の違いと、それぞれの攻略法について解説しました。
どちらの形式でも成功するためには、共通の基本準備に加えて、それぞれの特性を理解した対策が必要です。
この記事でご紹介したポイントをおさらいしましょう
- 共通準備:企業研究と貢献イメージの具体化、転職エージェントからの情報収集が重要
- ITエンジニア:プロジェクト経験の伝え方が評価の分かれ目となる
(AIを活用したエピソードトーク作成が効果的) - オンライン面接:技術的な準備とカンペの活用、丁寧なコミュニケーションを心がけることが成功の鍵
- オフライン面接:時間的余裕と非言語コミュニケーション、普段からの言葉遣いの改善が重要
最後に、面接は自分の経験とスキルを相手に伝える貴重な機会です。
形式に関わらず、準備をしっかりと行い、自分らしさを発揮できるよう心がけることで、必ず良い結果につながります。
次の転職活動で、この記事の内容を実践して、理想的なキャリアを実現してください。
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転職活動についてさらに詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
第5回 転職活動実践ガイド 【面接対策】面接で確認すべき雇用条件と現行体制の確認